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第10号 [平成12年] (2000年12月1日発行)

若年受刑者の特性に関する研究(その2)-特に時間的展望について PDF(566KB)
廣橋秀山,渕上康幸,松村猛,門本泉
【要旨】
本研究は,若年受刑者の特性を把握し,その処遇に資するために計画された。YA級5庁とYB級7庁について,それぞれ400名の若年受刑者を調査対象とした。調査方法としては,支援的ユーモア志向尺度とネガティブ事象の受容性尺度を用いて,これらの尺度と時間的展望との関係について検討した。支援的ユーモアを用いる若年受刑者は,困難や失敗などのネガティブな事象に対して耐性があり,受刑生活の中でも,比較的高い自尊心を有していると考えられる。また,ネガティブな事象に対する耐性を有している者は,時間的展望における未来考慮について現在優位の構えを持っていた。これは,未来が重要であると考えつつも,ネガティブな事象下においては,目前の課題処理に専念することによって精神的健康を維持・促進しようとしているものと理解される。
高齢受刑者に関する研究(その1) PDF(1.59MB)
廣橋秀山,濱井郁子,田島秀紀,松村猛,中勢直之
【要旨】
本研究は,矯正施設でも近年急速に高齢化が進んでいる状況を踏まえて,高齢受刑者の特性を明らかにし,処遇に資する基礎資料を得ることを目的とした。調査方法としては,40庁の刑務所に在所中の65歳以上の受刑者861名を対象にして,基本的な属性のほか,受刑生活の悩みごと,将来への展望,自己の犯罪についての意識等について調査を行った。本稿ではまず,男女別にデータを整理し,さらに男子については,入所度数を「初入者」,「2~5入者」,「6~9入者」,「多数回(10回以上)入所者」に分けて,その間の意識の相違について比較検討を加えている。
少年院を出院した少年に関する研究(その2) PDF(1.11MB)
大川力,長谷川宜志,渕上康幸,茂木善次郎,門本泉
【要旨】
本研究の目的は,少年院に再入した少年の特性や彼らが少年院をどのように認識しているか,その処遇をどう捉えているかを明らかにし,効果的な処遇の方向を見出すことにある。方法は,文章完成法,言語連想法による調査と,少年院で受けた処遇についての内省報告である。文書完成法では,「少年院を出るころの私」について,積極的意欲を持って出院し,更生意欲を示す反応が6割であったのに対し,深い反省もなく,社会に出て遊びたいという反応が約1割であった。言語連想法による調査では,「少年院」という言葉に対して連想する言葉を列挙させた。出現頻度の高い言葉としては,「厳しい」,「辛い」,「自由がない」,「更生」などがあげられた。少年院で受けた処遇について,「ためになった」と高く評定された項目は,「保護者や学校の先生や雇主と手紙のやりとりをする」,「職業補導で実習する」,「寮で自治活動・役割活動をする」であり,少年に理解し易い処遇がためになったと評定されやすいといえる。
在院少年の意識の変容に関する研究(その1) PDF(0.99MB)
大川力,長谷川宜志,濱井郁子,嶋谷宗泰,茂木善次郎,中島千加子
【要旨】
矯正施設における処遇は何らかの意識の変容を意図して行われているが,本研究では在院少年の「共感性」,「職業レディネス」,「自尊感情」,「社会的スキル」及び「自由記述による内省報告」(出院準備教育期の少年のみ)について,全国調査を実施した。対象少年は,医療少年院を除く全国48庁に在院する新入時教育期の男女961名,出院準備教育期の男女900名である。対象少年を初入群・再入群,新入期・出院期,性別で分類し,在院少年の意識について検討した。最初に調査の基本データを提示した上で,属性ごとの比較検討を行っている。「共感性」については女子の方が男子よりも有意に高く,「職業レディネス」は男女とも年齢と得点が比例する傾向が見られた。そして「自尊感情」については男女ともに出院時における得点が高く,特に再入少年でその傾向が見られた。「社会的スキル」尺度と自由記述に関する回答の結果は次回に報告する。
非行少年の生活意識に関する研究(その2) PDF(543KB)
大川力,渕上康幸,門本泉
【要旨】
前回の報告では,職業観と未来考慮尺度を中心に分析したが,今回は生活観と価値観について分析した。まず,生活観については男子と女子との比較では,社会一般についての見方で女子の方により問題性が認められ,価値観については,性差や年齢差について,先行研究とおおむね一致する結果が得られた。また,価値槻については,非行性との間で関連が一部見出された。ただ今回の生活観や価値観に関する調査は,網羅的なものではないし,これだけで決定的な結論を出すことはできない。また,非行性についてもごく限られた指標で見たものであり,今後より詳細な検討が必要である。
非行少年の対人態度に関する研究(その1) PDF(882KB)
大川力,濱井郁子,中島千加子
【要旨】
本研究は,非行少年が自己ならびに身近な人をどのように認知しているかを調査するとともに,社会的スキルや孤独感との関連を分析しようとして計画した。調査対象は,全国の少年鑑別所に在所中の少年,男子1,653名,女子193名であり,「ソーシャルサポート」,「社会的スキル」,「孤独感(LSO)」の尺度を用いた。
性別,年齢,少年鑑別所入所経験(初入・再入)の観点から分析・検討を行った結果,支持や援助を求める対象に男女間で違いがあることや,女子の方が男子よりも,自分自身を唯一無二の独自な存在として認知していること等が明らかになった。

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